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ジョンソン・エンド・ジョンソン:オープンイノベーションの最前線に立つ一流のヘルスケアグループ

ジョンソン・エンド・ジョンソン:オープンイノベーションの最前線に立つ一流のヘルスケアグループ

世界最大手のヘルスケアグループであるジョンソン・エンド・ジョンソンは、パリ地方の革新的なプロジェクトで、起業家、スタートアップ企業、企業、研究機関、学界と協力することを目指しています。フランスにおけるジョンソン・エンド・ジョンソンの取り組みについておたずねするため、ジョンソン・エンド・ジョンソン・イノベーションのフランスにおける早期技術革新連携ディレクターである Siau Baï 氏にお話をうかがいました。同氏は、グループのミッションと、現時点における重点分野について、概要を語ってくださったほか、フランスのイノベーションエコシステムにとって同グループが魅力的である理由や、研究開発へのサポートについて、教えてくださいました。
 

 

ジョンソン・エンド・ジョンソンのフランスにおける事業内容、より正確にはパリ地方における事業内容について、少しお話しいただけませんか?

世界最大のヘルスケア企業であるジョンソン・エンド・ジョンソンは、フランスでは、医薬品(Janssen)、医療機器(Johnson&Johnson Medical Devices)、パーソナルケア製品(Johnson&Johnson Consumer Health)の3つの主要部門で操業しています。

ヤンセンは欧州で5番めに大きい医薬品会社です。私どもは、病気と戦うため、科学の限界を押し広げています。私どもの取り組みは、真の違いを生み出すことができる治療分野に集中しており、腫瘍血液学、免疫学、ウイルス学、感染症、神経科学、循環器障害、代謝性疾患、肺高血圧症などが、これにあたります。

Johnson&Johnson Medical Devices は、世界で最も包括的な医療機器メーカーです。私どもは、外科、整形外科、視覚、医療介入のためのソリューションで、差し迫った医療の課題に取り組み、生命を救うことに貢献しています。

Johnson & Johnson Consumer は、6番めに大きい消費者向けヘルスケア製品の企業であり、象徴的なブランドのユニークなポートフォリオのおかげで、健康、福祉、化粧品の世界では大手です。そのブランドとは、Le Petit Marseillais、Neutrogena、Les Dermo-Cosmétiques de Biafine、Listerine、Nett、Vania で、この他にもいくつかセルフメディケーションのブランドがあります。

ジョンソン・エンド・ジョンソンはフランスで2,800人の従業員を抱えており、各地に5つの施設を持っています。フランスで操業しているジョンソン・エンド・ジョンソンの3部門の本社 は、EU や世界を対象に操業しているその他のいくつかの機関とともに、イッシー・レ・ムリノー市に立地しています。

 

ジョンソン・エンド・ジョンソンでのご自分の役割について教えていただけませんか?

私は2020年3月にジョンソン・エンド・ジョンソンに入社しました。私は現在、フランスでジョンソン・エンド・ジョンソン・イノベーションにおける「早期技術革新連携」ディレクターとして働いています。業務内容としては、価値を創造するパートナーシップを通じて、変革をもたらすヘルスケアソリューションを生み出すため、一流の国際的な技術革新ネットワークを構築することです。より正確には、ロンドンにあるジョンソン・エンド・ジョンソン・イノベーションセンター EMEA の一部署として、フランスのパリに拠点を置き、地元で「スカウト」業を行っています。私の役割は、ジョンソン・エンド・ジョンソンの3つの事業分野において、フランスで得られそうなあらゆる連携機会について、これを見出し、社内の専門家に評価してもらったうえで、調整を行うことです。私どもは、起業家、スタートアップ企業、新興企業、研究機関、学界と協力して、まだ満たされていない医療ニーズに対応するための変革の機会を促進する可能性のある革新的なプロジェクトを目指しています。私は、地球規模のインキュベーターのネットワークであるジョンソン・エンド・ジョンソン・イノベーション-JLABS(JLABS)全体や、グループのベンチャーキャピタル部門であるジョンソン・エンド・ジョンソン・イノベーション-JJDC,Inc.の同僚と緊密に協力して、初期段階の企業にさまざまな潜在的なパートナーシップを提供しています。こうした企業の科学技術力を発展させ、ビジネスを成功に導くために必要なすべての要素にアクセスできるよう、サポートしているのです。

ジョンソン・エンド・ジョンソン・イノベーションセンター EMEA は、2013年の設立以来、155人を超えるイノベーターと協力して、初期段階のアイデアの推進を支援してきました。これらのアイディアは、フランスに重点を置いたものでした。

 

ジョンソン・エンド・ジョンソン・イノベーションが、フランスのイノベーションエコシステム、特にパリ地方のイノベーターとの連携を強化させることに関心を持っているのは、なぜですか?

ジョンソン・エンド・ジョンソンは、フランスを戦略的イノベーションエコシステムとして認識し、この地で今後数年のあいだ将来的な協力者を探すことにしました。パリは、研究開発投資が向かう欧州有数の投資先のひとつであり、パリは、研究開発投資にとって最も魅力的な都市です(出典EY )。優れた科学技術と医学の中心地として、フランスが魅力を放っているのは、特に、国際的に有名な研究機関(INSERM、CNRS、CEA、INRIA などの多くの研究所がパリ地方に立地しています)や病院センター(APHP など)、技術革新面での卓越性(特許出願件数で国として第6位)、技能の高い労働力、そして、研究や起業を税制面で優遇しようとする確固とした政策のおかげだと言えます。

業界のインフルエンサーが集中しているパリ地方は、このイノベーションエコシステムとの緊密なネットワークを強化するという弊社のミッションを推進するのに役立ちます。

 

ジョンソン・エンド・ジョンソン・イノベーションが JLABS を開発したきっかけは何ですか?また、パリ地方のイノベーターはどうしたらその恩恵を受けることができますか?

JLABS は、新興企業が成長を加速化し研究開発を最適化できるよう、最適な環境を提供するインキュベーターのグローバルネットワークです。主要産業とのつながりを開き、起業家プログラム、メンタリング、投資家や提携企業とのネットワークを提供するだけでなく、今日の科学的発見を明日の画期的なヘルスケアソリューションに変換できる柔軟なプラットフォームを提供することで、資本効率を挙げることができます。JLABS は附帯条件なしのモデルです。つまり起業家は、自らの知的財産を守りながら、自由に自社の科学技術の進歩を図ることができます。JLABS はまた、ジョンソン・エンド・ジョンソン主催で、幅広いテーマごとにプロジェクトを募集する企画を進めています。この募集事業は「QuickFire チャレンジ」と言います。

フランスには JLABS はありませんが、パリ地方の新しい企業は、申請すれば、JLABS のバーチャルメンバーになることができ、ベルギーのベーアセにある欧州 JLABS インキュベーターまで移動することなく、多数のリソース、メンターシップ、デジタルサービスを利用することができます。

 

御社の事業拡大における Choose Paris Region からの支援について、少し教えていただけませんか?また Choose Paris Region が主催している健康と AI のクラブへの参加についても、お聞かせください。

フランスでは、ジョンソン・エンド・ジョンソンは、人工知能とゲノミクスの分野での連携に特に関心を持っています。Ramzi Temanni は、2021年初頭に、パリに拠点を置くフランスの人工知能とゲノミクスのチームの責任者に任命されました。Janssen Research and Development 社のグローバル計算科学チームのコアメンバーとして、同氏は、この分野における官民連携活動を加速することにより、フランスにおける技術革新のための早期エコシステムの開発を進めることに焦点を当てています。Ramzi は最近、Choose Paris Region が主催する「Club francilien des Leaders de Lab AI」に参加しました。「AI エグゼクティブクラブに参加することは、さまざまな産業部門の専門家とつながりを作り、AI をめぐる課題について学習内容を共有できるだけでなく、複雑な現実世界の問題を解決するためにありうるコラボレーションについて知る機会を得ることができますので、絶好の機会と言えます。」

 

ジョンソン・エンド・ジョンソンのパリ地方における将来的なビジネス計画には、どのようなものがありますか?

私どもは最近、パスツール研究所およびパリ公立病院連合(APHP)と研究協力協定を締結しました。これにより、患者生体試料とそれに関連する詳細な表現型データによるマルチオミクス研究を活用して、慢性炎症性疾患に関与するシグナル伝達経路の詳細な理解を得ることができます。このため、これから3年のあいだは、この2つの機関と緊密に連携していきます。

また、ヤンセン・フランスは、PrAIrie(PaRis Artificial Intelligence Research InstitutE)の各連携組織と協力したいと考えています。PrAIrie は、CNRS、Inria、パスツール研究所、パリ大学、PSL大学などの学界の連携組織が寄り集まったグループで、産業界の連携企業も数多く参加しており、官民パートナーシップを確立して、人工知能と健康の分野における国家戦略を支援しようとするものです。ヤンセン・フランスは、2020年12月に PrAIrie の Club des Mécènes に参加したことにより、技術革新への取り組みを示し、フランスを人工知能とその利用に関して世界を牽引する国のひとつにしようという全国的な取り組みに加わることになりました。

もっと一般的に言うとしても、私どもはいつも、フランスのイノベーションエコシステムの関係者とお会いすることに関心を持っています。というのもフランスは、私どもが関心を寄せる戦略的トピックにあてはまる技術革新プロジェクトを抱えているからです。これに関連して、2021年5月26日〜27日に開催された「連携」イベント「Meet with J&J Innovation」を、2022年には新版に更新し、J&J イノベーションチームがコラボレーションモデルを発表できるように、また、選ばれた応募者のプロジェクトについて協議できるようにします。

 

パリ地方(におけるビジネス)のことを、3つの言葉で言い表すとしたら、どのようになりますか?

革新的で、活気に溢れ、卓越性があります。

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Yann Masson

Healthcare, Life Sciences
Expert